「日本で最も美しい村」フォトコンテスト2022受賞者発表

結果発表

後世に残したい風景を
たくさんご応募いただき
ありがとうございました。
厳正な審査の結果、
入賞が決定いたしました。

「日本で最も美しい村」連合は、
小さくても素晴らしい地域資源や、
美しい景観を持つ村の存続、それぞれの村が
自立を目指すための運動をしています。
失ったら二度と取り戻せない
日本の農山漁村の景観と文化。
日本の原風景。
あなたの写真の力で、
後世に残しませんか。

主催：NPO法人「日本で最も美しい村」連合
主管：一般社団法人日本フォトコンテスト協会
後援：カメラのキタムラ

審査員・選評：写真家　吉村和敏

入賞作品

グランプリ

選評

中山道69次のうち江戸から数えて42番目となる妻籠宿は、伊那街道と交わる交通の要衝として古くから賑わいをみせてきました。そんな宿場町にはいまもなお幾つかの茶屋があり、旅人を迎え入れてくれます。裸電球の淡い光が灯る薄暗い店内に、神秘的な光芒が射し込んでいます。この作品の中には、地元の人々によって大切に受け継がれてきた歴史と文化が凝縮されており、じっと見つめていたら、200年以上も前の時代にタイムスリップしてしまうような不思議な感覚を味わうことができました。光芒といえば脇本陣奥谷が知られており、冬の昼時にはたくさんの写真愛好家が訪れ、カメラのシャッターを切っています。しかしこの特別な光は、妻籠宿の他の場所でも出会うことができるのです。美しい自然と共にある人々の暮らし。「日本で最も美しい村」の神髄を伝えている素晴らしい作品です。

特賞

入選

ロマンティック賞

総評

「日本で最も美しい村フォトコンテスト」は、日本の田舎の魅力を再発見する恒例行事として定着してきました。長引くコロナ禍の影響で、十分な作品が集まるのかと心配していましたが、今年も風景、建築物、植物、動物、祭り、鉄道、人物とさまざまなジャンルから数多くの作品が寄せられ、審査会場のテーブルの上はたいへん賑やかな雰囲気になりました。
今回特に嬉しかったのは、山口県の阿武町、香川県のまんのう町といった新しい登録村から生み出された作品がたくさん寄せられたことです。地元で暮らしている方に加え、村の写真を撮るために遠方から訪れた方も何人かいたようでした。
どの村にも定番と呼ばれる撮影スポットがあり、そこで生み出された作品は、このフォトコンテストにもたくさんの応募があります。過去に似たような作品が入賞していても、新たな作品に力強さが宿っていれば、再び賞に輝くことも十分ありえます。たとえば飯豊町の展望台からとらえた田園散居集落。この風景に目新しさはありませんが、2022年5月25日の朝に島貫さんが生み出した作品には強く心が奪われました。
「日本で最も美しい村」を巡っていると、美しい景観以上に、その地で暮らしている人たちにも興味を抱きます。ここ数年、日本のどの村にも都会から移住する若者が激増しています。古民家を改装したり、新たな仕事をはじめたりしながら、これから先の人生を考え、日々の暮らしの豊かさを追求しているのです。村を訪れたとき、レストラン、民宿、アーティストショップなどでそんな若者たちとの出会いがあったら、積極的に声をかけ、写真を撮ってみてください。ひと味違った村の魅力を知ることができるでしょう。
作品を生み出すには、撮影テーマを見つける以上に、いままでにない視点で村を掘り下げていくことも大切です。今年も登録村を旅して写真を撮ってみてください。皆さんからの力作を楽しみにしています。

写真家/吉村和敏