2023.06.08世界の最も美しい村連合会総会が開催されました

NPO法人「日本で最も美しい村」連合(会長:吉本秀樹(京都府伊根町長)、事務局:東京都千代田区)が加盟する国際ネットワーク、世界の最も美しい村連合会(The Most Beautiful Villages of the World)の総会(以下、世界総会)が2023年5月23日(火)~26日(金)の間、京都府伊根町(総会・視察)、京都府和束町(視察)で開催されました。世界総会には、国外から7カ国29名と、国内の加盟する町村地域と関係者が59名が参加しました。

―京都府伊根町に到着-

各国代表らが対面で顔を合わせるのは、昨年のイタリアでの世界総会から1年ぶり。「日本で最も美しい村」連合の会長で現在は世界連合会の会長も務める吉本 秀樹会長は、昨年イタリアでの世界総会に残念ながら参加が出来なかったため、会長就任後、各国の皆様とは初対面となりました。

―各国の皆さんを吉本会長が歓迎― 

5月23日(火)の夕食会では、吉本会長から歓迎の挨拶があり、「今回、京都の伊根町をご訪問いただく中、其々に感じられること気づかれることがあろうかと思います。その気づきを、今後の町づくりの一助としていただければ幸いに思います」と話しました。

―世界総会がはじまる―

5月24日(水)午前、伊根町コミュニティーセンターほっと館ふれあいホールにて、世界総会が開催されました。

世界総会冒頭には、吉本会長から開会の挨拶があり、「世界の最も美しい村のネットワークを最大限に生かし、世界の村々が直面する課題や、その解決策について多様な意見を共有し、より良い未来を実現するために、共に学び、切磋琢磨し、地域社会や国際社会に貢献していくことを目指したく思います」と話しました。

総会では、2022年度世界連合会の活動報告や決算、2023年度予算について協議されました。また中国の最も美しい村協会の準会員加盟申請について協議され、新たに中国協会が準加盟することが承認されました。

―2024年度世界総会開催地はベルギーのワロンー

来年の2024年度の世界総会開催地はベルギーのワロンで開催することがすでに2022年度イタリア総会で決定しています。その他では、ワロンの最も美しい村協会のアラン会長より「開催日程が決まればお知らせします」と報告があり、総会は閉会しました。

―総会後の集合写真―

―伊根町での景観保全の取り組みについて―

5月24日(水)午後、伊根町企画観光課 濱野様から「伊根町での景観保全の取り組みについて」ご紹介をいただきました。舟屋群が立ち並ぶ伊根浦の特徴や景観形成、保存地区として、規制等を行っているのかについて説明いただきました。

―小学生が伊根町の魅力を紹介―

その後、伊根小学校、本庄小学校の5~6年生から「伊根町のこういうところを見てほしい、知ってほしい」をテーマに伊根町の様々な魅力ある地域資源や暮らしなどについてご紹介いただきました。

小学生からの紹介後、スイスの最も美しい村協会のアラン会長と、ワロンの最も美しい村協会のアラン会長から感想をいただきました。

―各国からのプレゼンテーションー

その後は、各国のプレゼンテーションに移ります。今回は各国の加盟する村において、向き合っている課題やその解決策についての事例をテーマに発表をいただきました。

日本からは、青森県佐井村、青森県田子町、長野県木曽町から事例を共有いただきました。

▲フランスの最も美しい村協会
▲イタリアの最も美しい村協会
▲「日本で最も美しい村」連合 加盟村 青森県佐井村

―地元の皆さんや会員企業に協力いただきました―

今回の世界総会では、伊根町内のカフェや農家グループの皆様、「日本で最も美しい村」連合の会員企業の皆様に滞在中の朝食や総会中のカフェスペースで配布するお菓子の提供をいただきました。

▲伊根町の食材を使ったパンを農家グループの皆様に用意いただきました。

▲会員企業のカルビー(株)様にはグラノーラ、(株)米匠庵様にはカップご飯を提供いただきました。

▲伊根町内のカフェguriさん、長野県木曽町の茶房松島さんには総会中のコーヒーブレイク用のお菓子をご用意いただきました。

―地元の神楽披露 懇親パーティーはじまる―

5月24日(水)夜の懇親パーティーが道の駅舟屋の里 伊根で開催され、パーティーに先立ち、歓迎行事として伊根町の立石神楽社の皆様による、神楽舞が披露されました。
この神楽は7月下旬に行われる伊根祭において、大漁祈願、家内安全、子孫繁栄を祈願して奉納されるものです。

懇親パーティーには、来賓として京都府知事の西脇 隆俊様にご列席いただき、ご挨拶をいただきました。

西脇知事からは、「世界の最も美しい村連合会総会2023が、ここ京都府伊根町で盛大に開催されますことを心よりお祝い申し上げます。地元知事として、参加国の皆様並びに、「日本で最も美しい村」連合に加盟の町村及びサポート企業の皆様を歓迎いたします。また、開催に当たり、多大なご尽力をいただきました吉本会長をはじめとした関係者の皆様に深く敬意を表します。(中略)この総会を契機として、世界の最も美しい村連合会の交流・連携が加速し、世界に対する加盟町村地域の更なる魅力発信に繋がりますことを期待申し上げます」と挨拶されました。

懇親パーティーでは、伊根町の新鮮な海の幸や地元酒造の日本酒、また他の加盟町村から提供のあったチーズやワイン、焼酎などを楽しみながら、参加者全員で交流を図りました。

―舟屋のまちなみを海と陸から視察-

5月25日(木)は伊根町内の視察を行い、伊根浦舟屋群を遊覧船により海から見学し、伊根町観光協会のガイドにより陸からの見学も行いました。

海蔵寺では座禅体験が行われ、約20分無言で姿勢を正し、各国の皆さんは初めての座禅を体験しました。

伊根町を出発する直前には、本庄小学校の児童の皆様がお見送りに来ていただき、各国の皆さんと児童の皆さんがハイタッチをする光景も見られました。このような子どもたちとのふれいあいも思い出に残ることでしょう。

―和束茶の茶摘み、淹れ方を体験-

5月26日(金)は和束町に移り、まずは和束町が誇る和束茶の淹れ方体験を行いました。まずはお茶の甘味を味わう一煎目、二煎目、三煎目につれて苦味や渋みが出てくることを体験しました。

茶摘み体験では、ガイドの方から「このような新芽を刈りとってみてください」などとレクチャーいただき、実際にお茶摘みを体験しました。

―和束茶の懐石ランチを堪能-

昼食の冒頭に和束町の堀町長に歓迎の挨拶をいただきました。
昼食には和束町のお茶がふんだんに使われた懐石をご用意いただき、昼食を楽しみました。

―全行程を終えて最後の挨拶-

京都府伊根町、和束町での全ての行程を終えて、「日本で最も美しい村」連合 大石副会長(北海道鶴居村長)とフランスの最も美しい村協会のアラン会長が挨拶を行いました。

―終わりに―

世界総会の日本開催は2015年に北海道美瑛町での開催に続き、2度目の開催となりました。
今回の世界総会では、新たに中国の最も美しい村協会が準加盟として承認され、世界連合会の仲間に加わりました。

世界総会を終えて参加した海外参加者からは、「小学生がまちのことを愛していることが伝わった」、「舟屋を含めた建築物を保存するだけではなく、活用しながら保存していることが実際に宿泊して感じることが出来た」などといった感想がありました。日本が初めてという方も多くいらっしゃいましたが、大満足との声が多く、これも伊根町や和束町をはじめ、多くの皆さまのご協力があったからだと思います。誠にありがとうございました。

世界連合会に加盟する正加盟国、準加盟国に属する小さな村では、それぞれの地域によって、その土地ならではの景観や環境の美しさ、文化的・歴史的背景の美しさ、その土地で暮らす村民の心の美しさなど、多様な美しさをこれからも継承していけるように活動をしています。世界連合会のネットワークを活かして、各地域の課題や解決策を共有しながら、「最も美しい村」を目指し、これからも取り組んでまいります。

 

NPO法人「日本で最も美しい村」連合事務局

Photo by Yukiya Sonoda

 

≪世界の最も美しい村連合会(The Most Beautiful Villages of the World)の総会概要≫

◎開催日程:2023年5月23日(火)~26日(金)
◎開催地:(総会・視察)京都府伊根町 (4日目視察)京都府和束町
◎主催:NPO法人「日本で最も美しい村」連合
◎共催:伊根町(担当:伊根町企画観光課)、和束町(担当:和束町地域力推進課)
◎協力:海の京都DMO 伊根地域本部(伊根町観光協会)
◎後援:総務省、外務省、京都府、公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー
◎参加国
【正加盟国】フランス・ワロン(ベルギー)・イタリア・日本・スペイン
【準加盟国】スイス・ドイツ【オブザーバー国】中国※本総会で準加盟国
◎国内参加町村地域:17町村地域
北海道美瑛町・北海道鶴居村・青森県田子町・青森県佐井村・山形県飯豊町・静岡県川根本町・長野県中川村・長野県木曽町・長野県原村・岐阜県下呂市馬瀬・京都府伊根町・京都府和束町・奈良県曽爾村・岡山県新庄村・徳島県上勝町・愛媛県上島町

 

■本事業は,公益財団法人京都文化交流コンベンションビューローの制度を活用し実施しています。