島根半島から沖合約60Km、日本海に浮かぶ隠岐諸島の一つ「中ノ島」を「海士町」といい、面積33.51k㎡、周囲89.1 ㎞の1島1町の小さな島です。対馬暖流の影響を受け豊かな海と、日本の名水百選にも選ばれた天川の水をはじめとする豊富な湧水に恵まれ、自給自足のできる半農半漁の島です。 本土からの交通は、高速船かフェリーで約2~3 時間かかり、冬場は季節風が強く吹き荒れ、船が欠航して孤島化することも珍しくありません。 明治の文豪小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が、隠岐旅行の際「菱浦港」を最も気に入り8日間も滞在され、当時の様子を小説「知られざる日本の面影~伯耆から隠岐へ」の中に著しています。
島根県海士町あま
未来に残したい海士町の特徴~連合に登録されている地域資源~
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小泉八雲の愛でた「菱浦湾」の景観
中ノ島の最高峰、家督山(あとどさん)(246m)の麓、菱浦湾の海岸に家々が並ぶ菱浦地区は、江戸時代、北前船の風待ち港としてわずか7軒の家から発展した地区で、明治以降も隠岐汽船の発祥の地でもあり、島の玄関として栄えました。 家督山からの菱浦湾の眺望は秀麗で、明治25年に小泉八雲が来島した際に、鏡のように穏やかで美しい入り江の光景を「鏡ヶ浦(かがみがうら)」と名付け、菱浦地区をこよなく愛しました。
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隠岐島前神楽〔昭和36年島根県無形民俗文化財に指定〕
隠岐島前神楽は室町時代より五つの社家(しゃけ)と呼ばれる家(一族)により、伝えられてきましたが、今では、ただ1つ残った石塚家と地域住民により伝承が行われています。 隠岐島前神楽の特徴は、古い形式を残した、祈祷から娯楽に変わる手前の芸能と言われます。 舞は大太鼓、締め太鼓、手拍子(てびし)と歌による奏楽で、二軒四方、畳八畳の舞台の二畳ほどで行います。さらに、女性の参加が不可欠であることが特色です。